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配電レベル取引プラットフォームやフレキシビリティサービスを展開する英国Piclo社へ出資

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ロンドン, 2023年3月22日 — ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する脱炭素テックファンドを通じて、Piclo社(読み方:ピクロ)に出資したことをお知らせします。Piclo社は、英国に本社を置く企業で、分散型電源の効率的な売買を可能にするオンラインマーケットプレイスを提供しています。脱炭素テックファンドを通じた出資は6社目となります。

今回の830万英ポンド(1000万米ドル)のシリーズB資金調達ラウンドには、Future Energy Ventures(ドイツ)やClean Growth Fund(英国)など、新規および既存の投資家からの資金提供が含まれています。

 

 

 

 

(イメージ:Piclo)

背景

エネルギーミックスがさらに進むこれからの脱炭素社会において、エネルギーの需要と供給のバランスを確保するためには分散型電源の能力(フレキシビリティ)を効率化できるグリッドシステムが必要とされています。これらをうまく統合するためには、需要を予測し、最も必要な場所にエネルギーを正確に分配することが重要であり、複雑な取引を行う必要があります。Piclo社のマーケットプレイスは、フレキシブルアセット所有者とグリッドオペレーターの間の購買を促進することで、複雑な取引を可能にします。

 

日本では、2022年に電力の予備率が持続可能なレベルを下回り、3月に政府が初の電力需給ひっ迫警報を発令するにいたりました。6月にも同様の警報が発動され、2023年も大都市圏ではエネルギー供給が制限されると予想されている*1ため、Piclo社のソリューションは日本におけるエネルギー市場においても必要なプラットフォームとして期待されています。

 

*1. 日経アジア、「東京、2023年まで電力供給が逼迫」、https://asia.nikkei.com/Business/Energy/Tokyo-faces-tight-power-supply-through-2023

 

Piclo社のフレキシビリティ・サービス・マーケットプレイス「Piclo Flex」について

Piclo社のシステム・オペレーター(SO)は、フレキシビリティを大規模に調達することを可能にします。Piclo Flexは、再生可能エネルギー、蓄電池、電気自動車などの技術が配電網に局所的な柔軟性を提供し、脱炭素社会への複雑な移行を円滑にし、低コストで強靭な送電網を提供することを可能にします。このプラットフォームは、SOが柔軟性のニーズに応じて加入できる一連の機能モジュールで構成されています。このオールインワンソリューションは、市場参入からプロセスの自動化、顧客サービスにいたるまで、すべてを提供します。

Piclo社について

Picloのミッションは、送電網の脱炭素化です。私たちは、エネルギーネットワークをよりスマートで柔軟なものにし、持続可能なものにするソフトウェアソリューションを開発しています。当社の主力製品であるPiclo Flexは、エネルギーフレキシブルサービスの独立系マーケットプレイスとして業界をリードしており、システム運用者(National Grid ESOやUK Power Networksなど)が、需要の多い時や供給が少ない時に、柔軟なサービス提供者(EVなど)からエネルギー柔軟性を調達できるようにしています。2022年現在、Picloは55,000以上の柔軟性資産を登録し、総額5,700万ポンド以上の柔軟性契約を締結、16.6GWの柔軟性容量を登録、110GWの柔軟性容量を調達しています。Picloは現在、世界の6つの市場で、柔軟に設定するサポートしています。英国での主導的地位の他に、Picloは欧州と米国で存在感を高めています。

URL:https://www.piclo.energy/

Comments

JEF創業者兼ENECHANGE株式会社代表取締役CEO 城口洋平

日本で独自のエネルギーデータ事業を構築し、成長させてきた経験から、Picloのエネルギーマーケットプレイスは有望だと考えており、その成長をサポートしたいと考えています。さらに、ネットゼロを達成するためには、グリッドの脱炭素化が重要な目標の一つであり、そのための排出削減量は200億トン以上と見積もられています。Piclo社のソリューションとミッションは、この目標に直接合致しており、今回の資金調達ラウンドで投資家のひとつとして参加できることを嬉しく思っています。

Piclo CEO兼共同創業者 James Johnston氏

欧米を筆頭に再生可能エネルギー普及拡大に必要な需要コントロールやエネルギー効率化、電気自動車(EV)や充電設備、蓄電池のなど脱炭素社会の実現に必要なテクノロジーの開発が積極的に行われています。本ファンドは、先行する海外の技術や事業を取り込み、日本国内での優先的事業展開や事業シナジーを生むことで、脱炭素社会の実現を加速させることを目指しています。

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