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ジャパン・エナジー・ファンド、次世代のデジタル電力会社を構築するEquilibrium Energyへの投資を発表

Equilibrium Energy

イメージ:カナリーメディア (3)

2025年3月26日 — ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)は、Equilibrium Energy社に出資したことをお知らせします。

カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くEquilibrium Energy社は、次世代の電力会社のためのオペレー ティングシステムを構築しています。今回の2800万ドル(USD)の資金調達ラウンドは、GS Energy社が主導し、 既存の投資家であるDCVCとValo Venturesも参加しました。

 

 

 

 

 

背景

世界が脱炭素の実現のため、再生可能エネルギーの発電資源をオンラインで追加しようとする中、これらの資源の 断続的な供給は送電網の不安定化につながっています。この傾向は、データセンターや電気自動車などからの電力 需要の増加や、極端な異常気象により、電力系統にさらなる負担をかけるものとなっています。

 

開発社は、価格変動や新たな需給調整、それらに付随サービススキームを活用するために、蓄電容量の追加増強の 対応を行いました。2022年から2024年にかけて、商業的に稼働する蓄電施設の容量がテキサス州では4倍以上、カ リフォルニア州では2倍以上に増加しました (1)。日本でも系統用蓄電池の導入が増加すると見込まれており、2030 年までに14〜23GWhの系統用蓄電池の導入が予測されています (2)。

 

(1) Modo Energy「ERCOT蓄電池設置レポート: 2026年までに14GW」; CAISO「2023年の蓄電池に関する特別レ ポート」

(2) 資源エネルギー庁「系統用蓄電池の現状と課題」

(3) カナリーメディア:[テスラの元社員、未来の電力会社の構築を目指す]

資産所有者はさまざまな送電網や卸売市場に参加することで、収益の最大化を図っていますが、電力取引は、独自 で進化する市場参加ルールが多様であることや財務上の損失リスクなど、電力取引を管理すること自体が非常に困 難な課題となってます。このため、取引戦略は市場に参加する人にとって、重要なポイントとなっています。

 

そのような中、役立つのが「オプティマイザー」という存在です。オプティマイザーとは、バッテリーやその他の 資産を所有者に代わって管理し、独自の技術と戦略を活用しながら収益を最大化します。また、オプティマイザー と所有者の契約によって、所有者は将来の市場収益にどれだけのリスクを取るかを決めることができます。場合に よっては、オプティマイザーからの一定額の固定料金支払いにより投資リスクを軽減することも可能です。その結 果として得られるメリットの一部はオプティマイザーにも還元される仕組みとなっています。

 

近年、データ活用が進み、人工知能(AI)の技術が進化する中で、技術者たちはより有利な取引戦略を開発し実行 することで、新たな競争優位性を手にいれる機会となっています。

Equilibrium Energy社の技術革新について

Equilibrium Energy社は、テクノロジーとエネルギーの市場取引の相互で事業を展開する次世代の電力会社を目指 しています。Equilibrium社最大の強みは、取引戦略を迅速に、データ主導で開発できるソフトウェアプラット フォームです。このプラットフォームは、幅広い市場及び資産データから、AIを活用した取引モデルの予測を行っ ています。また、バッテリー所有者と契約を結び、複数の電力供給契約を締結しています。2024年6月、 Equilibrium社はERCOT (4) で時間単位のバッテリー運用者として最高の実績を認められています。

 

(4) Modo Energy、「ERCOT:2024年6月のバッテリーエネルギー貯蔵の収益は?」

この投資ラウンドにより、Equilibrium社は6GWのパイプラインから新たな電力供給契約を締結し、運用資産ポー トフォリオさらに拡大していきます。

コメント

Equilibrium Energy社の創業者兼CEO: Ryan Hanley(ライアン・ハンリー) コメント

ジャパン・エナジー・ファインドとの業務提携は、脱炭素化社会の実現のための未来への転換を加速させるため に、Equilibrium Energy社にとって貴重な機会です。再生可能エネルギー市場におけるジャパン・エナジー・ファ ンドの専門知識と、日本企業との強力な関係は、我々の技術プラットフォームを拡大し、重要な市場での協業を探 る貴重な機会となります。この業務提携を活用しすることで、さらなる世界のエネルギー転換に影響を与えること を楽しみにしています。

​柴田 智仁 Japan Energy Capital パートナー  コメント

電力需要の増加と変動する再生可能エネルギー源の統合という二つの課題に対応する上で、系統規模の蓄電池容量の拡大は極めて重要です。最適化技術と蓄電池開発の融合は、大きな効率向上の機会を生み出すものであり、Equilibrium Energyは、高度なデータ駆動型手法とスケーラブルなプラットフォームアーキテクチャ、さらに深い業界知識を活用することで、この変革の最前線に立つ存在です。この投資ラウンドに参加し、Equilibrium Energy社の成長に貢献できることを大変嬉しく思っています。彼らのような革新的で技術的なソリューションの展開は、日本の進化するエネルギー基盤の形成と安定化において非常に重要な役割を果たすことを期待しています。

 

Equilibrium Energy社について

Equilibrium Energy社は、次世代のクリーンエネルギー企業を構築するテクノロジー企業です。そのミッション は、「社会の気候とエネルギーの均衡への移行を加速する」ことです。2021年に設立されたEquilibrium社は、電 力バリューチェーン全体にわたる最先端AI、電力システムの基礎、最新のソフトウェア、新たな商業構造、動的な リスク管理の双方向で事業を展開しています。Equilibrium社は、エネルギー、科学、ソフトウェアの分野で長年 の経験を持つ専門家によって構築されています。Equilibrium社は、気候変動に取り組むパートナー企業へ支援す ることに尽力しています。


URL:https://www.equilibriumenergy.com/

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