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先進的な地熱エネルギーソリューションのパイオニアであるEavorTechnologies Inc社へ出資

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(イメージ:©️Eavor)

ロンドン, 2023年11月2日 — ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する脱炭素テックファンドを通じて、Eavor Technologies Inc.(以下Eavor社)社に出資しましたので、お知らせします。

カナダのカルガリーを拠点とするEavor社は、先進的な地熱エネルギーソリューションの分野におけるパイオニア となる企業です。特許取得済みのクローズドループ地熱利用技術(Eavor-Loop TM)により、エネルギーの安定供 給と費用対効果の高いクリーンエネルギーの新たな供給源を開拓しています。

 

この1億8,200万カナダドル(1億3,150万米ドル)の資金調達ラウンドはOMV AGが主導し、Canada Growth Fund、 Monaco Asset Management、Microsoft's Climate Innovation Fundが参加しました。日本では、中部電力株式会社が出 資しており、その他、既存の投資家であるBDC、bp Ventures、Eversource Energy、Temasek、Vickers Venture Partners も出資しています。

 

 

 

地熱エネルギーは豊富な再生可能エネルギー源であり、天候に左右されず、地表での必要な設置面積も太陽光や
風力に比べて大幅に少ないという利点があります。しかし、その活用コストが高いことがネックとなり、まだ広
く利用されていません。


強化地熱システムの分野における新たな技術進展により、地熱資源がより手軽に利用できるようになります。掘
削技術の開発により、地熱エネルギーを効率的に取り出せる深さまで掘削するコストを削減します。また、新し
いプラント設計と井戸の流量制御は、地熱エネルギーを必要に応じて取り出すことが可能となるため、需要に応
じて地熱資源を柔軟に供給することができます。


日本は地熱発電のポテンシャルが高く、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、政府は地熱発電をクリー
ンなベースロード電源として位置づけています。日本の地熱資源は世界第3位の約23GWで、地熱発電が開発され
れば国内の電力の10%を供給することが可能と考えられており(※1)、政府は2030年までに150万kWの地熱発電
を導入するという目標を掲げています(※2)。
世界的に見ても、日本企業は地熱タービンの最大供給国であり、日本は国外で地熱発電事業を展開する最大手の
ひとつです。しかし、高額な初期費用や、探査リスクを含む制約のある既存技術の規制プロセスのため、現在の
日本では地熱発電は電力供給のわずか0.3%しか占めていません。政府の新たな政策により、認可の合理化やより
高い固定価格買取制によって一部の課題については緩和されています(※1)。


(※1) 国際再生可能エネルギー機関
https://www.irena.org/news/articles/2009/Apr/Unlocking-geothermal-potential-in-Japan-through-small-scal
e-generation

(※2) 経済産業省資源エネルギー庁「今後の再生可能エネルギー政策について」(2023年6月21日)

Eavor社のクローズドループ地熱利用技術(Eavor-Loop)について

クローズドループ地熱利用技術Eavor-Loopは、二本の垂直杭と、複数の水平杭を接続し、地下に密閉されたラジ
エーターのような地下システムを構築します。作動流体(淡水)がこのシステム内を循環することで、地中深部
の熱を地上に供給し、発電や商業用の冷暖房用に利用することができます。流体の流量は変更可能で、エネル
ギーを柔軟に生成・供給することができます。
Eavor-Loopは、特許取得済みのロックパイプ技術(透水層を不透水層に加工するもの)や、掘削部分を冷却する
ことで掘削速度と掘削深度を向上させるための断熱ドリルパイプ、精度の高い杭接続を可能にする磁気測距技術
など、複数の画期的な技術によって可能になりました。
Eavor社は、2020年にカナダ・アルバータ州ロッキー・マウンテン・ハウス近郊のEavor-Loopの実証プロジェク
トの建設を完了。2023年はじめには、アメリカ・ニューメキシコ州のEavor-Loopの実証プロジェクトを完成さ
せ、総垂直深度18,000フィート(~5480m)の高掘削の実証を成功させています。次の重要となるマイルストー
ンとしては、ドイツのゲーレッツリードにおけるEavor社初となる本格的な商用プロジェクトで、今後4年以内の
地域暖房と電力供給を目指して開発が進められています。ゲーレッツリートのEavor-Loopの実証プロジェクトは、
掘削深度約4.5km、電気エネルギー総発電量約8.2MW、熱エネルギー総発電量64MWを見込んでおり、CO2 削減
量は44,000tを見込んでいます。

Eavor Technologies Inc.について

Eavor(エバー)社は、クリーンで信頼性が高く、手頃な価格のエネルギーを全地球規模で創出する専門チームが
率いる技術ベースのエネルギー企業です。Eavor社のソリューション(Eavor-Loop™)は、従来の地熱エネルギー
の課題を軽減させたことで実現している、世界初の、拡張性がある、クリーンで、出力調整が可能、ベースロー
ド電源として需要と供給を調整できる地熱発電システムです。このシステムでは、外部環境から完全に隔離され
た良質の液体を、自然の地熱勾配からの伝導によって得られた熱を活用している巨大な地下のラジエーター(地
熱)を通してクローズドループで循環させています。Eavor社は、Vickers Venture Partners、bp Ventures、Chubu
Electric Power、BDC Capital、Chevron、BHP Ventures、Helmerich & Payne、Precision Drilling、OMV、そして現在
はCanada Growth Fund(CGF)とマイクロソフトを含む、世界有数のエネルギー生産者、投資家、開発者、ベン
チャー・キャピタル・ファンドから出資されています。


Webサイト:https://www.eavor.com/

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